正断層と逆断層。ズレ方から知る断層の種類と見分け方

先生が生徒に教える正断層と逆断層の見分け方

地盤のずれ方には大きく分けで3種類があります。

◆正断層…引っ張る力が働いて断層面の上側の地層がずれ落ちた状態

◆逆断層…押す力によって断層面の上側の地層がずり上がる状態

◆横ずれ断層…引っ張るちからと押される力の両方が働くことで、水平方向に地層がずれた状態

この「ズレ落ちた面」や「すり上がる面」を「断層面」と呼びます。

では、正断層と逆断層はどうやって見分けるのでしょうか。

多くの人は、このイメージができずに見分け方を理解することができないのです。

そこで、次ようにイメージして覚えることをおすすめします。

【正断層】

断層面とずれた面は90度以上の鈍角になります。つまり、見た目にはすべり台のような状態です。

【逆断層】

逆断層では、断層面とずれた面は90度未満の鋭角になり、崖のような状態。

一度イメージできるとストンと腑に落ちると思いますよ。

正断層と逆断層の見分け方はすべり台をイメージする

より簡単に正断層と逆断層を区別するには、「すべり台」をイメージすると簡単です。

すべり台の形を「すべり落ちていれば正断層」。

すべり台を「上ってしまっているのが逆断層」となります。

「/」を断層だと考えて下さい。

◆「上盤 / 下盤」 (スラッシュは断層)

上盤が下盤よりも下に下がっている、斜面の下に落ちているのは自然なことなので「正断層」です。

◆↓上盤 / 下盤↑ (断層は正断層)

上盤が上にずり上がるのは重力に方向に逆らうので「逆断層」です。

◆↑上盤 / 下盤↓ (断層は逆断層)

どれが上盤なのかを見定めることができればすぐに理解できます。

試験で出題される図では、ある地層が断層によって分断されている部分をよく見て上盤を判断します。

その部分が上に移動しているか、下に移動しているかで正断層か逆断層かを判断します。

正断層か逆断層か。上か下か。断層のずれ方の見分け方

私たちの足元深くの地殻内部は、さまざまな方向からの力がせめぎ合い複雑に関連して断層運動が生じます。

断層面が傾いているとき、浅い方を「上盤」、深い方を「下盤」と呼んでいます。

断層面を境界に、両方のブロックが上下にずれてしまうことを「縦ずれ断層」と言い、そのうちの上盤がずり下がるのが「正断層」、逆に上がってしまうのが「逆断層」です。

このブロックが縦ではなく横に移動した場合は「横ずれ断層」です。

こちらは、断層線に向かって相手側ブロックが右に移動した場合は「右横ずれ断層」。

左に移動したものは「左横ずれ断層」となります。

日本の内陸部における地震では、中部地方~西日本では横ずれ断層型が、東北など北日本では逆断層型が多いとされています。

実際にずれてしまった断層を見ると、単純に「縦ずれ断層」や「横ずれ断層」と明確な物は少なく、ほとんどのケースでは斜めにずれています。

正断層・逆断層以外にも地面の下には幾重の層がうごめいている

海や湖といった広い堆積盆には、通常水平に地層が堆積します。

しかし、完全に固まる前に地殻変動が起こって横方向に圧縮された場合、地層が波型に変形します。

これを褶曲 (しゅうきょく) と呼び、その盛り上がり部分は背斜 (はいしゃ)、沈んだ部分は向斜 (こうしゃ) と呼んでいます。

この褶曲が大規模なると盛り上がりは山になって、やがて浸食されると古い地層が露出するのです。

この褶曲は、逆断層と同じく圧縮する力を受けてできる構造で、それぞれが密接な繋がりがあります。

地層は堆積し、気の遠くなるほど長い時間をかけて硬い岩石になっていきます。

つまり、堆積してからの時間が短いとまだ柔らかいということです。このため、横の力がかかったときに地表近くの方が褶曲しやすく、地下になるほど断層になりやすいということになります。

断層ができてしまうと、周辺よりも強度が低くなるため、断層の周辺や延長線上で地層が急傾斜になったり、逆転したりします。

東日本の震災は逆断層から正断層へ変化した?

2011年3月11日の東日本大震災の震源となった断層は、断層面に二つの岩盤によって圧力がかかったことにより、陸側の岩盤が海側の岩盤に乗り上げる形になる「逆断層型」でした。

しかし、その後起きた地震では、岩盤が東西に引っ張られた正断層型だったのです。

東北大の研究によると、後者の地震は2007年まで操業していた海底ガス田があった場所。

水深150メートルもの海底下にあったガス田の更に下に、北東方向へ続く逆断層があり、どの北東側には地震の傷痕と思われる高さ5~10メートルもの崖がありました。

本来は逆断層型であったところが、力の働く方向の変化で正断層型の動きをしたと考えられます。

すでにあった断層が、それまでとは真逆の動きをすることを「反転テクトニクス」と言い、これまで東北の内陸で見られた「正断層から逆断層」というケースの逆ともいえるものでした。